ほれぼれする手びねり

ほれぼれする手びねり_b0145114_22162971.jpg昨日今日とまた陶房で単行本の撮影。今度はベテランのS講師の担当ページを撮影した。S講師は、6年くらい後輩だが、いっしょにこの陶房を立ち上げたときからの長い付き合いだ。天才肌の造形感覚を持っており、近年オブジェ作家として頭角を現している。また、仕事の同僚としても頼れる良い仲間だ。

数年前にも、ある単行本を手伝ってもらったことがあるが、ひさしぶりにまたお願いした。普段から手びねりで制作している彼の手さばきは、見ていてほれぼれする。動きに全く無駄が無く、しかも仕事がきれいなのだ。加えて独特の造形感覚がさりげなく作品に個性を与えている。

私も陶芸家として不器用な方ではないが、真似をしようとしても、なかなか彼のようにはいかない。なんと表現すればよいのか難しいところなのだが、「造形的にかっこいいところを見つけてそれを生かす技が卓越している」感じなのだ。
彼のほんとうのすごさは、美術と陶芸を本気で学んだことのあるものにしかわからないかも知れないな、とも思う。
# by nodatohboh | 2008-07-22 22:49 | カメラの仕事

同世代の陶芸家

同世代の陶芸家_b0145114_015475.jpg少し前になるが、季刊誌の取材で湯河原の陶芸家を訪ねた。企画と進行を私が担当し、いつも組んでいるライターさんに構成と執筆をお願いした新企画。カメラマン兼運転手として取材に参加した。2ヶ月くらい前の取材だったので、すっかり忘れていたが、先日その初稿ゲラが届いて思いだした。

取材した女流陶芸家は、銀座のギャラリーで作品を見て一目惚れした。この雑誌の企画を思いついたときに、すぐに彼女のことを思い出し、ギャラリーの方に紹介してもらった。
私とほぼ同世代の彼女は、M美大の出身でご主人も陶芸家だ。M美学は、私も受験して見事に落ちた大学だ。万が一受かってたら一緒に陶芸を学んでいたかも知れない。
首都圏で陶芸科がある大学は数校しかない。しかし、横のつながりはほとんど無く、同世代でも他大学の陶芸科に誰がいて、どんな作品をつくっているのかほとんど知らない。同じ陶芸を学んでいても、大学によってそのスタンスは異なり、教育の方針や課題も異なる。卒業後の所属団体や関係する流通も微妙に違ってくる。
今回、あまり交わることのなかった他大学出身の同世代陶芸家といろいろ興味深い話が出来た。仕事ではあったが、とても楽しい時間だった。

同じ陶芸家だが、私と彼女たちとでは、工芸感や目指す作品、理想の陶芸家像が異なる。ただ、この歳だからだろうか、彼女たちの考えも理解が出来た。自分がM美学で学んでいたら、たぶん、彼女たちと同じような工芸感、アイデンティティーをもって陶芸をしていただろうな。とも思った。
# by nodatohboh | 2008-07-20 22:00 | 編集の仕事

近所の先輩

偶然だが、陶房の近所に大学の先輩が住んでいる。先輩と私は10年以上離れているが、狭い業界なので何かと会う機会も多く、陶房が出来る前から親しくさせてもらっていた。
このあたりで育った先輩からしてみれば、「突然近所に陶芸教室が出来てたと思ったら、そこに後輩がいるじゃん」ってことになるのだろう。

近所の先輩_b0145114_19533217.jpg根っから明るい性格の先輩は、後輩の面倒見も良く、諸先輩方と一緒に後輩達を良く呑みに連れて行って下さっているらしい。私は、お酒方面での付き合いは無いが、ときどきDMを頼まれる。今日の夕方も、作品を持って来て、そのまま撮影に立ち会ってくれた。

陶磁器の展覧会のDMというのは、意外とバリエーションがない。特に、伝統的な仕事をしている作品は、崩し方が難しく、結局正攻法でまとめてしまうことが多い。
先輩は、長年陶芸家をやっているせいか、どうやらそういうのに飽きてきたらしく、ちょっと大胆な構図を提案してきた。ちょっとそれはどうなのかしらん?と思ったので、微妙に拒否する姿勢を見せてみたが、どうやら意志が硬そうなので、とりあえず言われたとおりにやってみる素直な後輩なのであった。
# by nodatohboh | 2008-07-15 20:05 | カメラの仕事

編集会議とビジネス街のランチ

午前中、本郷の出版社で月刊誌の編集会議。スタッフの入れ替えがあってしばらくバタバタしていたが、何となく軌道に乗ってきた感じだ。メーカーとタイアップする新しい企画も始まるので少し忙しくなる。

近くにある別の出版社の仲の良い編集者と待ち合わせて昼飯を食べに行く。編集会議で一緒だったライターさんは、以前この編集者とも仕事をしたことがあるので、ご一緒して3人でのランチになった。
編集者おすすめの和食のお店は込んでいた。夜は居酒屋、お昼はランチでにぎわっているそうだ。1000円の日替わりランチは白身魚のふわふわのフライが4匹、これにウニといくらの小鉢、サラダ、味噌汁、お新香が付く。ご飯はおかわり自由という太っ腹ぷり。しかも、旨い。
ランチタイムは常に満席、しかもお客さんはビジネスマンなので居る時間が短い。客の回転率が以上に良さそうだった。
出版社に顔を出すようになって、本郷周辺でランチを食べるようになったが、込んでる店はどこも安くて旨い。ランチはビジネス街が一番おいしいのかも。
# by nodatohboh | 2008-07-14 22:51 | 編集の仕事

陶房のリニューアル

陶房のリニューアル_b0145114_1523625.jpg陶房がリニューアルされた。外装だけ。
9年前、オーナーが経営するデザイン会社の倉庫兼工場だった建物を利用して陶房にした。外観は倉庫そのもので、場末のスナックのように外からは中があまり見えなかった。看板だけが陶芸教室であることを表していた。
それを、オーナーのスケッチを元に古民家風の外装へと無理矢理リニューアルした。チョー少ない予算の中、工事業者も頑張ってくれたおかげで、ショーウィンドウ付きの渋い陶芸教室へと変身することが出来た。
最後に、手づくりの陶板を漆喰の壁に貼り付けると、グンと格好良くなった。思った以上の出来にスタッフも大喜びだ。

「以前のみすぼらしい倉庫でも、結構生徒さん多かったのに、こんなにかっよくなったら生徒が増えて大変だね! あは、はは、はは!」
と、高笑いする脳天気なスタッフ一同であった。
# by nodatohboh | 2008-07-13 02:31 | 陶芸の仕事