<   2008年 07月 ( 12 )   > この月の画像一覧

単行本の撮影、その後

b0145114_844539.jpg昨日今日と単行本の撮影。今制作している単行本は、祖師谷陶房のスタッフ4名にも協力してもらっている。忙しい中を塗って協力してもらっているのだが、3〜4アイテムの作品を準備から焼成まで行うには1ヶ月以上かかる。当然、彼らにも他の仕事があるので、日程調整は容易ではない。

最近の出版界の大きな傾向として「雑誌よりも単行本」ということが言われている。お金のかかる雑誌(定期刊行物)は、広告収入がないと成り立たない媒体だ。だから、一見、すごく売れているような雑誌でも、広告が減れば廃刊に追い込まれたりする。販売部数よりも広告収入がその雑誌の運命を左右すると言って良い。ファッション誌などの人気雑誌ほどお金がかかるので、発刊と廃刊を繰り返すことになってしまうのだ。

問題は、単行本のゴーサインが出るのが遅すぎることだ。今回も「だいたいOKそう」という話から、正式にOKがでるまでかなり時間がかかった。私自身は責任もあるので、あまり仕事を入れないようにして制作期間のスケジュールを空けておくが、制作協力者にはそれを強要できない。

フリーランスで働いている人は、自分で仕事量をコントロールしなければならないが、「たぶん大丈夫」な仕事のために1ヶ月以上スケジュールを空けておくのは勇気がいる。そこらへんのことを、会社員である出版社の人々はわかっていないのか、軽く見ているのか、、、
by nodatohboh | 2008-07-29 22:42 | 編集の仕事

大学の最終授業

今日、実技を教えている大学の授業が終わった。通常90分の授業を2コマ連続で行うため、30コマの授業を15回、前期で消化してしまうのだ。いわゆる「陶芸科」といったものではなく、あくまでも授業の1つなので、この15回ですべてを完結しなければならない。
今年も一応無事に終了したが、受講人数が例年よりも多かったため、本焼きの窯を全部焚くことが出来なかった。1窯分は夏休み中に焚き、学生には後期になってから作品だけ取りに来てもらう。
数年前にも、窯焚きのスケジュールをうまく調整できなくて、同じようなことになった。欲張って、いろいろな作品を時間いっぱい作らせてしまうと、後の作業が追いつかない。20名以上の学生の作業をコントロールしながら、授業時間を消化するのは結構むずかしいことなのだ。

授業は、作品の乾燥具合などを計算しながら進行するので、休講にすると大変なことになってしまう。したがって、5年間1コマも休講にしたことがない。というか出来ない。
自分が学生の頃は、講師の都合で休講になることも多かった。今にして思えば、そんないい加減なことが許される雇用関係というのは、少しおかしい。最近は、大学から「休講をなるべくしないでくれ」というお達しがある。たしかに、30コマすべての授業を受けさせることが講師の努めなのだから、それが出来ないなら、春に雇用関係を更新しなければ良いのだ。

大学特有の「ゆるさ」は、その中にいるととても居心地がよいが、いざ、世間と仕事をしようと思ったときに思わぬ恥をかいてしまう。しかし、まあ、当の本人が、それを知らずにいれば幸せなのかも知れないけど。
by nodatohboh | 2008-07-25 16:51 | 陶芸の仕事

取材のダブルヘッダー

b0145114_8273410.jpg今日は月刊誌の取材2本。午前中は作家紹介のページにカメラマンとして参加した。このページ、最初の大枠だけ企画したが、他はすべて信頼しているライターさんに任せている。
板橋区にあるギャラリーでライターさんと待ち合わせし、作家さんとその作品を撮った。ライターさんが選んだこの作家さんは、私のよく知る大学の先輩。アポをとったライターさんから事前に知らされていなかったらしく、少し遅れて現れたカメラマンが私だったので驚いていた。
後輩に撮影されながらインタビューに答えるのだから、やりにくいに決まってる。申し訳ないと思いつつも、シャッターを押しまくった。しばらくして、ストロボにも慣れたころ、ようやく表情が和らいで来た。
取材作家の人選はライターさんに任せているのだが、都内近郊の展覧会場で取材するこの企画では、どうしても知っている作家が取材対象者になるケースが多い。私がこういう仕事をしていることは噂で知っていても、実際に取材されると違和感があるようだ。

b0145114_8282018.jpg午後からは、ライターさんとわかれて別の企画のハウツー(作り方)を足立区で撮影した。以前打ち合わせしたときのことを書いた企画。その後、密かに着々と進行しており、本日取材となったのだ。
取材先は、後輩作家の実家。彼女はここに小さな工房を構えている。下町の昭和30年頃に建てられたという木造の建物は、趣がある。しかし、工房としてはかなり狭い。天井も低い。こういう狭いところでは、「バウンズ」という直接天井にストロボを当ててその反射光を利用する方法をとることが多いのだが、今回のように、天井が木造で白っぽくない場合、色かぶりしてしまうので断念した。結局、ストロボ2本立てるのもあきらめて、1本で撮影。光が回るように、トレーシングペーパーだとか、レフ板だとかをいろいろと駆使して、出来るだけコンパクトなライティングレイアウトにした。

彼女は、以前にも他の雑誌で連載をしたことがあるので、撮影に慣れている。あらかじめ、段取ってくれていたので、撮影は順調に進行し、2本取り(2ヶ月分)だったにもかかわらず、早く終わった。
撮影をしていていつも思うのだが、手際の良い仕事をする手は美しい。しなやかに粘土を操る彼女の手もまた、妖艶で美しかった。
by nodatohboh | 2008-07-24 22:05 | カメラの仕事

ほれぼれする手びねり

b0145114_22162971.jpg昨日今日とまた陶房で単行本の撮影。今度はベテランのS講師の担当ページを撮影した。S講師は、6年くらい後輩だが、いっしょにこの陶房を立ち上げたときからの長い付き合いだ。天才肌の造形感覚を持っており、近年オブジェ作家として頭角を現している。また、仕事の同僚としても頼れる良い仲間だ。

数年前にも、ある単行本を手伝ってもらったことがあるが、ひさしぶりにまたお願いした。普段から手びねりで制作している彼の手さばきは、見ていてほれぼれする。動きに全く無駄が無く、しかも仕事がきれいなのだ。加えて独特の造形感覚がさりげなく作品に個性を与えている。

私も陶芸家として不器用な方ではないが、真似をしようとしても、なかなか彼のようにはいかない。なんと表現すればよいのか難しいところなのだが、「造形的にかっこいいところを見つけてそれを生かす技が卓越している」感じなのだ。
彼のほんとうのすごさは、美術と陶芸を本気で学んだことのあるものにしかわからないかも知れないな、とも思う。
by nodatohboh | 2008-07-22 22:49 | カメラの仕事

同世代の陶芸家

b0145114_015475.jpg少し前になるが、季刊誌の取材で湯河原の陶芸家を訪ねた。企画と進行を私が担当し、いつも組んでいるライターさんに構成と執筆をお願いした新企画。カメラマン兼運転手として取材に参加した。2ヶ月くらい前の取材だったので、すっかり忘れていたが、先日その初稿ゲラが届いて思いだした。

取材した女流陶芸家は、銀座のギャラリーで作品を見て一目惚れした。この雑誌の企画を思いついたときに、すぐに彼女のことを思い出し、ギャラリーの方に紹介してもらった。
私とほぼ同世代の彼女は、M美大の出身でご主人も陶芸家だ。M美学は、私も受験して見事に落ちた大学だ。万が一受かってたら一緒に陶芸を学んでいたかも知れない。
首都圏で陶芸科がある大学は数校しかない。しかし、横のつながりはほとんど無く、同世代でも他大学の陶芸科に誰がいて、どんな作品をつくっているのかほとんど知らない。同じ陶芸を学んでいても、大学によってそのスタンスは異なり、教育の方針や課題も異なる。卒業後の所属団体や関係する流通も微妙に違ってくる。
今回、あまり交わることのなかった他大学出身の同世代陶芸家といろいろ興味深い話が出来た。仕事ではあったが、とても楽しい時間だった。

同じ陶芸家だが、私と彼女たちとでは、工芸感や目指す作品、理想の陶芸家像が異なる。ただ、この歳だからだろうか、彼女たちの考えも理解が出来た。自分がM美学で学んでいたら、たぶん、彼女たちと同じような工芸感、アイデンティティーをもって陶芸をしていただろうな。とも思った。
by nodatohboh | 2008-07-20 22:00 | 編集の仕事

近所の先輩

偶然だが、陶房の近所に大学の先輩が住んでいる。先輩と私は10年以上離れているが、狭い業界なので何かと会う機会も多く、陶房が出来る前から親しくさせてもらっていた。
このあたりで育った先輩からしてみれば、「突然近所に陶芸教室が出来てたと思ったら、そこに後輩がいるじゃん」ってことになるのだろう。

b0145114_19533217.jpg根っから明るい性格の先輩は、後輩の面倒見も良く、諸先輩方と一緒に後輩達を良く呑みに連れて行って下さっているらしい。私は、お酒方面での付き合いは無いが、ときどきDMを頼まれる。今日の夕方も、作品を持って来て、そのまま撮影に立ち会ってくれた。

陶磁器の展覧会のDMというのは、意外とバリエーションがない。特に、伝統的な仕事をしている作品は、崩し方が難しく、結局正攻法でまとめてしまうことが多い。
先輩は、長年陶芸家をやっているせいか、どうやらそういうのに飽きてきたらしく、ちょっと大胆な構図を提案してきた。ちょっとそれはどうなのかしらん?と思ったので、微妙に拒否する姿勢を見せてみたが、どうやら意志が硬そうなので、とりあえず言われたとおりにやってみる素直な後輩なのであった。
by nodatohboh | 2008-07-15 20:05 | カメラの仕事

編集会議とビジネス街のランチ

午前中、本郷の出版社で月刊誌の編集会議。スタッフの入れ替えがあってしばらくバタバタしていたが、何となく軌道に乗ってきた感じだ。メーカーとタイアップする新しい企画も始まるので少し忙しくなる。

近くにある別の出版社の仲の良い編集者と待ち合わせて昼飯を食べに行く。編集会議で一緒だったライターさんは、以前この編集者とも仕事をしたことがあるので、ご一緒して3人でのランチになった。
編集者おすすめの和食のお店は込んでいた。夜は居酒屋、お昼はランチでにぎわっているそうだ。1000円の日替わりランチは白身魚のふわふわのフライが4匹、これにウニといくらの小鉢、サラダ、味噌汁、お新香が付く。ご飯はおかわり自由という太っ腹ぷり。しかも、旨い。
ランチタイムは常に満席、しかもお客さんはビジネスマンなので居る時間が短い。客の回転率が以上に良さそうだった。
出版社に顔を出すようになって、本郷周辺でランチを食べるようになったが、込んでる店はどこも安くて旨い。ランチはビジネス街が一番おいしいのかも。
by nodatohboh | 2008-07-14 22:51 | 編集の仕事

陶房のリニューアル

b0145114_1523625.jpg陶房がリニューアルされた。外装だけ。
9年前、オーナーが経営するデザイン会社の倉庫兼工場だった建物を利用して陶房にした。外観は倉庫そのもので、場末のスナックのように外からは中があまり見えなかった。看板だけが陶芸教室であることを表していた。
それを、オーナーのスケッチを元に古民家風の外装へと無理矢理リニューアルした。チョー少ない予算の中、工事業者も頑張ってくれたおかげで、ショーウィンドウ付きの渋い陶芸教室へと変身することが出来た。
最後に、手づくりの陶板を漆喰の壁に貼り付けると、グンと格好良くなった。思った以上の出来にスタッフも大喜びだ。

「以前のみすぼらしい倉庫でも、結構生徒さん多かったのに、こんなにかっよくなったら生徒が増えて大変だね! あは、はは、はは!」
と、高笑いする脳天気なスタッフ一同であった。
by nodatohboh | 2008-07-13 02:31 | 陶芸の仕事

季刊誌の出張撮影

b0145114_12222044.jpg湘南の先生のところで季刊誌に連載している磁器講座の撮影。朝10時に最寄り駅で編集長をピックアップして車で向かう。初夏の海岸沿いの道は気持ちがよい。風はまだ少し肌寒く、人気のまばらな海の家の旗がのんびりと揺らめいていた。

企画の内容を変えながら先生の連載は7回目になる。この陶房にもずいぶんと通った。海を望む高台に建つ工房には、今年もツバメが戻ってきていた。
じつは以前、この工房のすぐそばに窯を構えて住んでいたことがある。それまで、大学の先輩というだけで、あまり面識のなかった先生だが、縁があって親しくさせてもらうようになった。その後、私の人生を支えてくれる恩人となり、現在もお世話になり続けている。

撮影は、先生が段取りよく準備をしてくれていたおかげで順調に進んだ。いや、進んでいた。昼食に、地元で有名な大盛りの店のランチを食べるまでは。
私は中学生以来ひさしぶりにマカロニグラタンを食べた。懐かしい味のグラタン。半分までは美味しく頂いたが、後半は義務として食べた。編集長のミックスなんとかっていうランチは大きなハンバーグと大きな鳥の照り焼きと帆立のフライトと、山盛りのポテトサラダとブロッコリーがお皿に渦高く盛られてやってきた。
「どうだ参ったか!」と言わんばかりのたたずまい。味はまずくないが、体育会系の学生じゃあるまいし。編集長一人では無理なので、比較的まだ余力のある我々も援護してなんとか食べきった。戦中派の親に育てられた我々にとって、食べ物を残すことは重罪なのだ。

午後の撮影は睡魔との戦い。意識がもうろうとする中、プロ根性でシャッターだけは切り続けたが、後で見返すと撮った記憶のない写真が大量にあった。
by nodatohboh | 2008-07-08 22:33 | カメラの仕事

特別講座と単行本の撮影

今日、陶房では、他の講師による特別講座が開催された。「石膏型作り講座(お皿編)」という講座。陶芸教室なのに作るのは石膏の型だ。はたして参加者が集まるのか?開催も危ういのではと思っていたが、定員オーバーの人気ぶりで、進行の方が危うい感じになっていた。

前回開催した「石膏型作り講座(立体編)」でグダグダな事になってしまった担当講師にとって、今回はリベンジの機会だ。悪夢にうなされながらも入念なシュミレーションと準備にはげんだ結果、見事滞りなく進行し、参加者も大満足の講座となった。

講座の後、夕方から単行本の撮影の続き。作品制作を担当する若い女性講師は、昼間、特別講座のアシスタントをしていた。私も彼女も少しお疲れだったが、「今日撮らないともうやばいっす」っていう事情もあり、夜の10時までがんばった。
撮影が終わってから、データのバックアップやらなんやらで夜中の3時まで残業。さすがにしんどかった。
by nodatohboh | 2008-07-06 22:10 | 陶芸の仕事