単行本の撮影が始まった。
この本では、陶房の講師4人に作陶の実技をお願いしている。 今週は、一番若手の女性講師が担当する作品作りを撮影する。 撮影用に作陶するのは、ちょっと手間だ。 読者にわかりやすく、ビジュアルにもこだわって撮影するので、普段通りに作陶してもらうと、何かと不具合が生じてしまう。 特に今回は、初心者用の本なので、プロのテクニックがあれば端折ることのできる工程も出来るだけ基本に忠実に行ってもらう。 しかも、この本では、見た目をすっきりさわやかな印象にするため、背景が白く抜けるようにデコラというボードを駆使して撮影する。これが、さらに面倒な作業を強いることになる。 これまでに、十数人の陶芸家のハウツーを撮影してきた。 作品の善し悪しとは全く関係なく、撮影に向いてる人、向いていない人がいる。説明をしながら作らなければならないので、どちらかというと夢中になって作る人は向いていない。 また、勘のいい人は、撮影に必要な動きや間をすぐにつかんでくれて、撮影のしやすいような動作をしてくれる。陶芸教室の講師歴が長い人は、ライターの聞きたいポイントもだいたいわかっているので、さらにスムーズだ。 今日撮影した講師は、こういう撮影がはじめてだった。 普段はあまり行わない手びねりによる作陶だったため、最初こそ戸惑っていたが、撮影のリズムにもすぐ慣れてくれて、順調に撮影は進行した。 撮影は約7時間。撮影枚数は約500カットになった。 ハウツーとしては普通の枚数なのだが、400枚を超えたあたりから疲れてきた。集中力が切れて散漫になってくる。 歳のせいなのかと不安がよぎるが、作陶する若い講師も同様に、疲れていたのでちょっと安心した。 長時間、緊張した状態を持続するのは難しいのだ。
by nodatohboh
| 2008-06-26 22:29
| カメラの仕事
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